【コラム】歳をとっても英語は習得できる たぶん

【 大人を遊ぶ。ありきたりな日常を冒険する 】

【 Enjoying adulthood. Adventure at ordinary days. 】

はじめての英語の学習は中学1年。学校の授業だった。
そのときからずっと英語に苦手意識をもってきた。
外国語の習得には最初に出会った教師との相性が重要という説を知ったのは最近のことだ。
海外で暮らした経験はあるもののそれでも英語はマスターできなかった。
英語の勉強をしようとすると中学校1年生の頃の英語教師の見下したような顔を思い出すのだ。
それでもあきらめがつかずオッサンになってからも勉強をしたり挫折したりをこれまで繰り返してきた。

英語に限らず筆者の人生は報われることのない努力の連続だった。
現在でも本業の小説では生活できず週に5日 清掃員のパートをして凌いでいる。

先日建物の外回りの掃除をしていて落とし物を見つけた。手のひらにはいるほどの小さなポーチ。
落ちていた場所から推測して歩行者の物と判断した。
探しにきた落とし主が見つけやすいようにと標識の柱にガムテープで貼り付けてやった。

それから誰にも見つけられることのないまま数日が過ぎた。正直筆者も落とし物のことは記憶から消えてしまっていた。
しばらく経ったある日 気付いたらポーチが無くなっていた。
そのときはたぶん管理人が剥がして処分したのだろうと思っていた。

それからまた1カ月ほどして同じ場所を清掃していると東南アジア出身らしき外国人の女性が声をかけてきた。
Can you speak English ?
英語で少しと答えると聞き取りづらかったのか同じ質問を繰り返された。
「ああ、少しだけならね」ともういちど今度は言葉を変えて答えてみた。
どうやら落とし物の持ち主らしい。

彼女は私が拾ってくれたのかと聞いてそうだと答えるとお礼を言った。
とても大切な物だったらしくたいへんな熱量で何度も thank you. を繰り返した。
同じ道を何往復もして捜し歩いたそうだ。彼女は背が低いので私が貼った高さだと目線の上になってしまったのがわるかったらしい。
しかしついに彼女はそれを見つけた。わざわざ捨てられないように標識の柱に貼ってあった。
故郷に仕送りもしなければいけないだろうに、彼女は手土産を私に渡した。
あとで見たらフィリピンのお菓子だった。どうやら近所でベビーシッターをしているらしいことも後日知った。
別れ際 再び彼女は何度もお礼を言って去っていった。

ところで。

ここまで彼女は「ドモアリガトゴザマシタ」以外全部英語だったし、私もずっと英語でしゃべっていた。
どうやらいつのまにかこの程度の会話はできるようになっていたらしい。
外国語習得に年齢は関係ないと思う。
少なくても筆者はオッサンになってからやっとこの程度まで話せるようになった。

New York の通り
最新情報をチェックしよう!