2019年4月27日~6月2日まで開催されたシド・ミード展を紹介。
目次
シド・ミード プロフィール
画像の文章を文字おこしします。
PROFILE
シド・ミード/ビジュアル・フューチャリスト
1933年/7月18日、アメリカ合衆国ミネソタ州生まれ。
59年にアートセンター卒業後、フォードのカーデザイナーとしてキャリアを出発。
70年に独立し、シド・ミード社を設立する。未来志向でリアルなビジョンの数々は、彼を瞬く間に世界的なインダストリアルデザイナーへと押し上げた。
その活躍は工業デザインの領域に留まらず、79年から始めた映画美術(The Movie Art)の
仕事でも優れた成果を上げる。『スター・トレック劇場版』(79)『ブレードランナー』(82)
『トロン』(84)『エイリアン』(86)など、いまや誰もが知るSF映画の名作を手掛けるレジェンド的存在である。
近年も『ブレードランナー2049』(17)への参加が話題を呼ぶ。
日本のクライアントとの仕事も数多く、特に『YAMATO2520』(95)と『∀ガンダム』(99)という二大タイトルにおける
大胆なアプローチはともに印象深い。17年、米視覚効果主催「VES Summit 2017」にてVES視覚賞受賞。
I have always shown people in my artwork of possible future worlds.
Imagination is the fuel that encourages us toward the future.
A successful future happens when people believe that our combined enthusiasm and imagination will create t、he future we all want to enjoy.
SYD MEAD
訳
私は常に作品を通じて実現可能な未来の世界を人々に提示してきました。
想像力は私たちを未来へと前進させるための燃料です。
誰もが楽しそうだと思う未来を作るのは情熱と結びついた想像力であり、それを人々が信じることで繁栄する未来は作られるのです。
シド・ミード
以上シド・ミード展プロフィールから。
シド・ミードはカリフォルニア州パサデナの自宅にて2019年12月30日21時30分永眠いたしました。
安らかにお眠りください。
シド・ミード展
建物エントランス。
スーベニアやカフェなどがある。
学校給食をイメージしたコッペパンのお店は惹かれる。
会場となる建物がもともと学校だったために所々に学校の面影が残っている。
展覧会 会場入り口
HONDAやDUNLOPのステッカーがリアルさを演出している。
『SENTINEL』
『Pebble Beach Triptych』
同じく『Pebble Beach Triptych』
『Silver coach』
シド・ミードといえばメカデザインだが筆者は描かれた作品の背景や世界観も好きだったりする。
ブレードランナー
映画ブレードランナーのコンセプトアート。
ブレードランナーの舞台は新宿歌舞伎町から発想を得ている。
公開作品では予算の都合で舞台背景を剥き出しの配管や機械などで埋めつくしてそれらしく見せたが、シド・ミードの描いたアートの時点でははっきりと新宿歌舞伎町の雰囲気がでている。
∀ガンダム
壁に大きくプリントされた∀ガンダム。
同じく壁に大きくプリントされたターンエックス。
シド・ミードにガンダムのデザインを依頼したサンライズ社は送られてきた絵を見て愕然としたという。
まったく想像もしていなかったデザインであるにもかかわらず、サンライズ社があらかじめ注文しておいたポイントをすべてクリアしていたからだ。
結局最初の案はボツとなり、のちにデザイン性の良さからモビルスモーとして復活。
次に出された案がいわゆる髭ガンダムと呼ばれるデザインである。
その後も最終決定にいたるまでシド・ミードはサンライズ社を翻弄していく。
「あなたたちの求めるロボットはこういう姿でしょう」
「もう少しあなたたちが好むスタイルの良い姿にしてみましょうか」
こうして出来上がったのが∀ガンダムである。
筆者は初めて見た時、これはガンダムではないなという印象をもった。しかし年数が経つうちに不思議と格好良く見えるようになっていった。
さすがシド・ミードのデザインだけあって未来に行かないと理解できないということか。
※展示物のほとんどは撮影OKだったものの額縁のガラスに筆者が写り込んでしまった為、一部公式HPから拝借いたしました。